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受動態とはどういう表現?
受動態は「受け身」とも言われます。結局能動態も受動態も、同じ一つの場面を表しています。下の例文で言うと、今までは「~する人」(彼女)の立場からしか表現していなかっただけで、逆の行為や動作を受け取る人「~される人」(僕)の立場から見た時の表現が受動態というわけです。
[能動態] | [受動態] | |
「主語(S)の人が~する」 表現が能動態です 例:彼女は 僕を 子供扱いする |
⇔ | 「主語(S)の人が~される」 表現が受動態です 例:僕は 彼女に 子ども扱いされる |
自動詞(Vi)が受動態にできない理由がこれで分かりますか? 自動詞は行為の相手がいない、自分一人だけでできる行為なので、相手がいません。受動態は 他動詞(Vt)の文だけできるのです。「~する人」が主語(S)に、「~される人」は目的語(O)にあったっています。
受動態の形 受動態=be+過去分詞形+by~「~に・・される」 |
まずは受動態に気づけることが大事です。例えば、"He is loved~."とあれば、彼が好き(能動態)なのではなく、 彼が好かれている(受動態)ということが分かります。誰に?ということも表現する場合は、by~で表すわけです。
注意点を一つ。過去分詞をこのサイトでは詳しく説明していませんが、名前から「過去」と勘違いしないでください。過去分詞は過去を表す言葉ではないのです。単にそういう名前で呼ばれているだけで、上の例文でいくと、am(現在)、loved(過去分詞)から「時間は現在なの過去なの?」と迷わないこと。時間はbe動詞が表しています。つまり現在。
【演習】次の中から受動態を含んだ文を答えなさい。(書き換えは不要)
(1) | She is loved by everyone. |
(2) | Jim didn't write this report. |
(3) | Does she wash the dishes? |
(4) | He found the question easy. [find - found - found] |
(5) | Were these pictures drawn by him? |
(6) | My uncle gave me this new tie. [“I”を主語にして](tie「ネクタイ」) |
(7) | You must not speak Japanese in this class. |
(8) | Where was the key found? |
(9) | The missing boy has not been found yet. |
ヒント
(5) | |
(8) | |
(9) |
受動態の書き換えで重要なことは?
ではいよいよ書き換え。内容が同じなので使う単語もほとんどそのまま、語順を逆にしてあげましょう。 「~する人(主語S)」からの表現を、今度は「~される人(目的語O)」の立場から表現するので、 「二者関係=主語と目的語」を把握することが重要です。受動態の基本的な形は大丈夫ですか?説明を読んでいるだけではやはり分かりにくいので、この単元は例文の説明にそって書き換えをやってみてください。
[能動態]
She treats me like a child.
「彼女は私を子供のように扱う(=子供扱いする)」
主語(S) She ~する人 |
述語(Vt) treats |
目的語(O) me ~される人 |
その他修飾語 like a child. |
[受動態]
I am treated like a child by her.
「私は彼女に子供のように扱われる(=子ども扱いされる)」
元、目的語(O) I ~される人 |
述語(Vt) am treated |
その他修飾語 like a child |
元、主語(S) by her ~する人 |
和訳でもう一度確認してみてください。受動態の書き換えは主語(S)・述語(Vt)・目的語(O)の3つの部分だけが関係し、その他の修飾語は全く表現が変わっていません。このように受動態の書き換えでは、「二者関係=主語と目的語」を把握することが重要です。そうすれば、述語の他動詞もその間にあるものがそれだとすぐ分かりますし。(by~は文末と決まっているわけではなく、文によって多少位置が前後しますが、これはこだわらなくても大丈夫です。)
受動態の書き換えでのポイント 書き換えで関係するのは 主語(S)・述語(Vt)・目的語(O)の3つの部分だけ 二者関係=主語(S)と目的語(O)を把握する 述語(Vt)は、主語(S)と目的語(O)の間 |
助動詞を含んだ文の受動態
受動態の書き換えでケアレスミスが続出するのは、実はbe動詞の人称(is/are)や時制(is/was)です。能動態 ⇔ 受動態の書き換えは内容が変わらないので、助動詞はそのまま使われます。そのため、必ず助動詞 be 過去分詞動詞の形になるわけです。be動詞が必ず原形になるので、問題としては逆に簡単になります。
ex. | You must not forget the promise. |
[能動態]
やはり3つの書き換え部分を確認
主語(S) | 述語(Vt) | 目的語(O) |
You | must not forget | the promise. |
[受動態]
助動詞が入っているだけなので述部に注目すると
must not forget ⇒ must not be forgotten ⇒ The promise must not be forgotten.
(by youは通例省略されます)
疑問文・否定文での受動態
疑問文や否定文の形になると分かりにくいという人は、まずそれらを無視して考えます。つまり肯定文として問題を解いてから、その後で疑問や否定の形に直してやります。手間がかかるように見えますが、応用問題になるほど、この基礎的な解法が役に立ちます。
ex. | Does he love her? / He didn’t say such things. |
[能動態]
疑問文であってもとにかく3つの書き換え部分を確認
その他の語句 | 主語(S) | 述語(Vt) | 目的語(O) |
Does | he | love | her? |
[受動態]
まずは疑問文であることを無視して受動態に
⇒ She is loved by him?
あとは受動態になった文を疑問文に
⇒ Is she loved by him?
[能動態]
否定文であってもとにかく3つの書き換え部分を確認
主語(S) | 述語(Vt) | 目的語(O) |
He | didn't say | such things. |
[受動態]
まずは否定文の"not"を無視して受動態に
⇒ Such things were said by him.
あとは受動態になった文を否定文に
⇒ Such things weren’t said by him.
疑問詞を含んだ文の受動態
疑問詞を含んだ文の書き換えは、日本文の和訳を見ると意外なことが分かります。
ex. | Where did he find the key? |
[能動態] どこで 彼は その鍵を 見つけたのですか
[受動態] どこで その鍵は 彼に(よって) 見つけられたのですか
日本文を見ると、疑問詞は二者関係=主語と目的語に関係していません。つまりあってもなくても、書き換えには無関係なのです。疑問詞が加わることで少し難しく見えますが、前述の疑問文と全く変わらずに書き換えができます。
[能動態]
3つの書き換え部分(主語・述語・目的語)を確認
⇒ Where did he find the key?
その他の語句 | 主語(S) | 述語(Vt) | 目的語(O) |
Where did | he | find | the key? |
[受動態]
疑問詞の部分は書き換えの3つの部分に無関係なので無視して受動態に
⇒ Where the key was found by him?
あとは疑問文に
⇒ Where was the key found by him?
なぜ疑問詞は二者関係になれないのでしょうか。例をあげると、「公園に」や「日曜日に」などは「出かける」につながる副詞です。つまり、場所や時を表す言葉は副詞になることが多く、疑問詞の「Where~?どこ」や「When~?いつ」の多くがこの副詞だからです。1講座の内容がここでつながってきますね。次の項目では、この例外の疑問詞Who/Whenを扱います。
【演習】主語(S)・述語(Vt)・目的語(O)に印をつけた上で受動態に書き換えなさい。
(1) | Tom read this book. |
(2) | Jim didn’t write this report. |
(3) | Does she wash the dishes? |
(4) | He found the question easy. |
(5) | My uncle gave me this new tie. [Iを主語にして](tie「 ネクタイ」) |
(6) | You must not speak Japanese in this class. |
ヒント
(1) | |
(6) |
【演習】[ ]内の指示に従って答えなさい。
(1) | ( ) more trees cut down every year? 1. Are / 2. Is / 3. Do / 4. Did |
[適語選択] |
(2) | Were these pictures drawn by him? | [能動態に] |
(3) | Where was the key found by him? | [能動態に] |
(4) | She is loved by everyone. ⇒ Everyone love her. | [誤文訂正] |
(5) | The [has / missing boy / found / not / been / yet]. | [語順整序] |
ヒント
(1) | |
(2) | |
(4) | |
(5) |