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第1講 接続詞 that・文型の活用

接続詞thatの用法

まずthatの用法を確認しましょう。thatは今まで使っていた代名詞「あれ」としての用法とは別に、接続詞としてのお仕事もしているのです。特に訳しません。名前通りに接着剤の仕事をするもので、語と語や句と句、長いものであれば節(=S+V)と節(=S+V)をくっつけたりします。接続詞で有名なのはand/but/if/whenあたりですが、thatもここで覚えておきましょう。

ex. Everybody likes peace and freedom.(語と語)
She didn't come to help usbut to bother us.(不定詞句と不定詞句)
I am sure that she will come on time.(節と節)

ただしthatは必ず節と節をつなぐため、文が長くなる特徴があります。thatが接続詞として使われた場合は、後ろにS+Vがあるので、判別は楽でしょう。

接続詞thatの形と品詞

that+S+V名詞節
名詞節なので文中では主語・目的語・補語になれます(後述)

ex. I still remember
「覚えている」(Vt)
the man.(名詞)
to see him.(to+動詞 → 不定詞の名詞的用法)
that I've seen him before.(that+S+V → 節全体で名詞)

他動詞→目的語の感覚はもう大丈夫ですね。例文のように、目的語に節(=S+V)になると文がとても長くなるので、それを事前に教えてくれるのが接続詞thatです。「後ろが節で長くなっていますよ」といっているわけです。親切ですね。単なる目印の役割なので 代名詞のthatとは違って訳しません。でもそのせいか時々仕事をさぼっていなくなります。それでも目的語の部分に気がついてくださいね。慣れましょう。

ex. =I still remember I've seem him before. (thatが省略された文)

文型を使った解き方

ここまでに、4品詞の修飾関係から品詞ごとの重要度、動詞に着目して自動詞と他動詞の区別、目的語の理解と2種類の目的語の重要事項、そしてその目的語に接続詞thatが使われた形と学んできました。せっかくここまでやったので、どのくらい見え方が違ってきたのか例題で確認しましょう。ただし注意が一つ。今まで通りに解くのなら全く変わりません。ヒントを出しながらいきますので、あせらずに段階を追って自分なりに解いてみてください。

次の整除問題は日本文がヒントとして使えるので、まずこれで文型を考えてみましょう。文型を決めるのは述語(V)です。この日本文での動詞はどれでしょうか?またその動詞は自動詞ですか、それとも他動詞ですか?

ex. 日本文の意味になるように次の語句を並べなさい。
「私は両親に一人で海外に行っていいかどうか尋ねた」
[asked/could/alone/parents/if/I/I/my/go abroad].

答えは「尋ねる」ですね。内容は他動詞。では目的語を1つとるのか2つとるのかどちらでしょうか?

尋ねる「相手」と「ものごと」が必要になるので答えは2つです。では次に日本文を使って考えます。どこがSでどこがOかなど、下線を引いてみましょう。まだ下は見ないで。

ex. 私は(S) 両親に(O) 一人で海外に行っていいかどうか(O) 尋ねた(Vt)

目的語が2つ並ぶということは第4文型のSVOOです。2種類の目的語の並べる語順が決まってました。覚えていますか?

もちろん他動詞+相手+もの(こと)ですね。この文ではもの(こと)にあたる内容が長いので、多分節になっているのでは、と考えられれば最高です。これだけ分かれば自分で英作もできそうですが、単語が与えられているので参照しましょう。動詞はaskedがあたりそうですね。ではaskedを中心に大雑把に文の構文を考えてみると 私が asked 両親に ~のことを. となります。~のところは長いので、そこまでの単語を実際に並べてみてください。

ex. 私は(S) 両親に(O) 一人で海外に行っていいかどうか(O) 尋ねた(Vt)
asked my parents  .
[I/could/alone/if/go abroad]

後は尋ねた「ことがら」部分です。日本文と単語を見比べると、動詞にcould goがあるので、これも同様に動詞中心で並べてみましょう。

ex. 日本文の意味になるように次の語句を並べなさい。
私は(S) 両親に(O) 一人で海外に行っていいかどうか(O) 尋ねた(Vt)
asked my parents I could go abroad alone.
[if]

さてほとんどできましたが、ifが残っています。節が2つありますね。となると接続詞ifがそのつなぎの言葉になっているのでしょう。(if 接続詞「~かどうか」)

ex. 私は(S) 両親に(O) 一人で海外に行っていいかどうか(O) 尋ねた(Vt)
asked my parents if I could go abroad alone. (S+V if S+V.)

今までの見え方と違ってきましたか?分かる人は何となくではなくて、こうやって並べているのです。その他にも慣れてくればこんな解き方もあります。下のはもう少し難しくして日本文のヒントがない形。受験では普通ですね。どこに着目しますか?

ex. 単語を並びかえて意味の通る一文にしなさい。
[asked/could/alone/parents/if/I/I/my/go abroad].

答えは述語(V)の動詞。動詞が文の形を決める=教えてくれるからです。動詞はasked(Vt)があるので主語(S)と目的語(O)をつけてあげましょう。

ex. asked my parents○ / my parents asked I×
[alone/if/I].

askの後ろは目的語なので、主格の "I" はその位置にはおけません(目的格のmeならOK)。当たり前のことですが、主格の"I"は主語の位置で使います。そうすると動詞に着目することで、ここまでできてきます。

ex. asked my parents / I could go abroad
[alone/if ].

後は残った接続詞ifを文の意味を考えた上で入れていきます。

ex. I asked my parents if I could go abroad alone.

要は解ければどんなやり方でもいいわけですね。4品詞から5文型を学ぶと色んな応用ができるようになります。しっかりおさえましょう。