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第1講 4品詞

4品詞とは?

 

ここで紹介する4品詞とは「名詞・形容詞・動詞・副詞」です。結論から言うと、名詞と動詞がとても重要な役割をし、それを補う脇役として形容詞と副詞がいます。つまり単語にも優先順位があるということ。英文を読みながら「知ってる単語」とか「難しそうな単語」という意識ではなくて、「これは大事な名詞だ」とか「要らない副詞だな」、という意識で見てほしいのです。慣れれば無意識にやっているようになりますよ。まず例をあげて名詞と動詞の確認をしましょう。

名詞 = 本/日本/マイク/空気/心/価値観/寝ること(=睡眠) etc
動詞 = 歩く/寝る/考える/渡す/欲しい(=欲しがる) etc

大丈夫ですね。少し迷うところだと「寝ること」あたりですが、「寝ること=睡眠」という行為なので名詞です。次は形容詞です。例えば「本」という名詞。このままではどの本のことか分かりません。でも「私の」とか「表紙の赤い」「1000円の」という言葉がつけば、もっと詳しくなり、どんな 本なのかイメージが限定されていきます。名詞を詳しく説明(=修飾)する言葉、これが形容詞です。いつも名詞の近くにいるかくっついています。逆に後ろに名詞がつく言葉が形容詞とも考えられます。「友達の」→「本」。

形容詞 = 軽い/大きい/国土の狭い/清らかな etc

最後に副詞です。例えば「歩く」という動詞。色々と詳しくしてみましょう。速さは?「速く」「遅く」、場所は?「川沿いに」「近くを」などがつくと歩く様子がより詳しくイメージできますね。他にも「一人で」や 「健康のために」→「歩く」なども副詞です。動詞を詳しく説明(=修飾)する言葉、これが副詞です。これも後ろに動詞がつく言葉が副詞とも考えられます。「ちょっと」→「食べる」。

副詞 = ぐっすり/徹底的に/ちょっと/突然 etc

もう一つ、実は副詞は形容詞も説明(=修飾)できます。例えば「かわいい」→「女の子」。「とても」→「かわいい」→「女の子」や「最高に」→「かわいい」→「女の子」、「僕から見れば」→「かわいい」→「女の子」などが副詞が形容詞を説明する例です。ただ「かわいい」というよりも、よりイメージが具体的になりますね。このように漠然としているものをより詳しく具体的にイメージさせる言葉が形容詞・副詞の修飾語句です

4品詞の修飾関係
形容詞 = 名詞を修飾する言葉・後に名詞がつながる言葉
副 詞 = 動詞(と形容詞)を修飾する言葉・後に動詞(と形容詞)がつながる言葉

飾る言葉(形容詞・副詞)と飾られる言葉(名詞・動詞)のどちらが重要なのでしょうか?飾られる言葉を「人」に例えると 飾る言葉は「洋服やアクセサリー」といったものに当たります。もちろん重要なのは、中心になる「人」の方、名詞・動詞の 方ですね。これが主役。英文の中ではこの名詞と動詞にたくさんの「アクセサリー(形容詞・副詞)」がくっついて、長く見えるだけなのです。さらに言えば、副詞は脇役の形容詞も修飾するわけですから、重要度は脇役どころかエキストラくらいです。最初のページでいきなり説明が多かったですが、この基礎力があれば絶対楽になりますよ。

4品詞の重要度
名詞(主役) / 動詞(主役) / 形容詞(脇役) / 副詞(エキストラ)

 

【演習】次の各問いに答えなさい。

(1) 次の言葉を名詞・形容詞・動詞・副詞に分けなさい。

働く/友達の/徹底的に/勉強する/本/心/良く/日本/国土の狭い/マイク/空気/寝る/価値観/睡眠/ぐっすり

 

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名詞 ― 本/心/日本/マイク/空気/価値観/睡眠

形容詞 ― 友達の/国土の狭い

動詞 ― 働く/勉強する/寝る

副詞 ― 徹底的に/良く/ぐっすり

(2) 名詞「女の子」つながる形容詞と、動詞「歩く」につながる副詞をそれぞれ5つずつあげなさい。

 

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かわいい/ショートヘアーの/隣の家の/向こうの/人見知りな → 女の子

ゆっくり/彼と/手をつないで/景色を見ながら/てくてくと → 歩く

 

4品詞の応用力

4品詞の修飾関係を理解することで、どんないいことがあるのかその応用例を少し紹介しましょう。

1. 副詞語句のとばし

単語は名詞・動詞を真っ先に暗記し、副詞は後回しにします。 文中で意味不明の副詞に出会ったら、とばしてもかまいません。副詞(~lyが多い)は重要度が低い脇役、というより小物ですから。それでも文の意味は十分に分かるはずです。

ex. We were talking over the phone, when sudddenly the line went dead.
「電話で話をしていたら突然切れた」We were talking over the phone, when ~ the line went dead.
「電話で話をしていたら~切れた」
(副詞suddenlyを知らなくても内容は十分わかる)

2. 形容詞節・副詞節の削除による主文の把握(9・10・12講座)

中2で習う不定詞の用法判別「名詞的用法、形容詞的用法、、、」というのは、実は文中での修飾関係と重要度を判別していたわけです。どこがどこを修飾しているのかが分かれば、そこから文の大事な主役部分と少しいらない脇役部分を見分け、長文も大雑把に把握できるように なります。

ex. I have little time to talk with you. [形容詞的用法=timeを修飾している脇役部分] 「君と話をする時間はあまりないんだ」I have little time ~.
「~時間はあまりないんだ」
(to不定詞以下を省略しても内容は十分わかる)

3.形容詞節・副詞節の削除による主文の把握(9・10・12講座)

1の語、2の句よりもっと大きなかたまりを節といいます(語<句<節)。4品詞の修飾関係が分かるようになると、主文がこれだけ簡単に見えてきます。修飾語句(=形容詞・副詞の脇役)が実に文の半分をしめています。

ex. It is natural for people who know nothing about the alphabet, but who want to make a record of something or to send a message to one another, to do it by drawing a little picture. [下線部は形容詞節]

It is natural for people ~, to do it by drawing a little picture.
「~の人々が小さな絵を描くことでそうするのは自然のことなのです」

4品詞と修飾関係を1講座にしている意味が伝わったでしょうか。要は文の全部の単語を知っている必要は ないわけで、文中にも優劣があることを知ってください。主文と修飾文を区別できるようになれば、最低限訳せばいいところも見えてきます。 その先には速読や問題の解法などの応用も広がっています。ぜひ1講座の内容をマスターしてから、2講座に進んでみてください。

「使い方」のところでも書きましたが、このサイトは初級から中級者に対しての説明になってます。これが応用となると少し話が違ってきます。例えば1では「副詞は小物」と言ってますが、ある程度のレベルに達した人になると、今度はその副詞をヒントにして応用問題を解いたりします。ここでの説明は中級までの基礎固めだと思ってください。