完了形の3用法と訳し方
完了形(=have+過去分詞)を一言で表すと「時間の幅」をイメージさせる表現です。
この点では単純形・進行形と大きく異なるので、区別もしやすいと思います。
ex. | He lives alone. 「彼は一人暮らしです」[習慣・状態] He has lived alone since a child. 「彼は子供の頃から一人暮らしです」[継続] |
完了形は1つの形で大きく3種類に訳せるので、文中でどの訳がふさわしいか自分で判断しなければいけません。めんどくさいようですが、次で説明するシグナルに注目すれば訳しやすくなると思います。ここでは3種類の用法を確認しておきましょう。
(和訳はおもてに表れない場合も多くあります)
完了形の形 完了形=have+過去分詞 |
完了形の3用法と訳し方
[継続] ずっと~の状態である場合 「(ずっと)~である」 I have known him since a child. 「彼を子供の頃から知っています」 (←子供の頃から今までの時間の幅) [経験] ~回という経験がある場合 「~したことがある」 I have met him twice. 「彼に2回会ったことがある」 (←生まれてから今までの時間の幅の中で) [完了] 何かの状態を終えた場合 「~したところだ」 She has just arrived. 「彼女はちょうど着いたところだ」 (←移動を始めてから終えるまでの時間の幅) |
完了形のシグナル9つを言えますか?
時制問題の3表現を決定する場合、完了形は特にシグナルと一緒に使われることが多く、覚えていれば用法の判別と和訳がとてもやさしくなります。
完了形のシグナル9つ =[経験] ever 今までに/never 今までに1度も~ない/before 以前に =[継続] for ~の間/since ~から(以来) =[完了] by ~までに/just ちょうど/already すでに/yet まだ |
ex. | I have visited that place before. 「以前にその場所を訪れたことがある」
It has been raining for a week. 「一週間雨です」 I have not finished my work yet. 「まだ仕事を終えていない」 How long has he been ill? 「どのくらい彼は病気なの」 ※9つの他にもいくつかあります |
完了進行形の形は?
完了進行形(have been ~ing)は、名前の通り完了形と進行形が合わさった表現なので、2つの用法をおさえていれば、難しくはありません。この完了進行形では rain/wait の動詞が頻出です。
完了進行形の形 完了形 have + 過去分詞 + 進行形 be ~ing ------------------------------------------------- 完了進行形 have been ~ing |
ex. | ( )内の語を適する形に直しなさい。
(1) I (know) him for a long time. 「私は長い間彼のことを知っています」 |
時制を考える場合はまずシグナルを探しましょう。(1) for[継続] のシグナルがあるので、完了形の時制を使うのが分かります。時間は、和訳の内容「知っています」から現在と分かり、現在時制の完了形が答えになります。
(1) | I (have known) him for a long time. |
では(2)です。これも同じように for[継続]と「話をしている」の和訳から現在の完了形となりますが、さて、今現在その行為をしているのか、していないのか、どちらでしょうか?もちろん「いる」。つまりこの文には「今~している最中だ」という進行形の意味も加わっているわけです。まとめると(2)の文は「3時間(完了形)+今も話している(現在進行形)」という内容を表し、「現在完了進行形」で表現されます。
(2) | She (has been talking) over the phone for three hours. |
【演習】 [ ]内の指示に従って答えなさい。
(1) | it (rain) since this morning. | [適語変形] |
(2) | He( ) at the gate for an hour. 1. waits / 2. is waiting / 3. has waited / 4. has been waiting |
[適語選択] |
(3) | This town changed greatly since we lived here. | [誤文訂正] |